コンテンツにジャンプ

トップページ > 【受賞】磯センター長が日野原重明賞(健康予防科学賞)を受賞(2026年1月24日)

【受賞】磯センター長が日野原重明賞(健康予防科学賞)を受賞(2026年1月24日)

日本総合健診医学会 日野原重明賞の受賞に際して

 

         国立健康危機管理研究機構 国際協力局

           グローバルヘルス政策研究センター センター長 理事長特任補佐

           大阪大学名誉教授

                                                            磯 博康

          

この度は、日野原重明賞の受賞にあたり、日本総合健診医学会の西﨑泰弘理事長並びに選考委員会委員の方々、そして会員の皆様に厚く御礼を申し上げます。

私は、1982年に筑波大学医学専門学群を卒業後、同大学院医学博士課程で、小町喜男教授に師事し、一貫して生活習慣病の疫学と予防医学研究を行って参りました。大学院時代、秋田県、大阪府、茨城県の自治体において、地域の保健師、栄養士、事務職員と共に循環器健診に従事しながら、茨城の地域住民における循環器疾患発症の実態を把握するため、様々な情報源から発症の疑いのある人(お亡くなりになった人にはその家族)に、保健師と共に朝から夕方、時には夜まで汗をかきながら家庭訪問を行った経験はその後の研究者としての基礎となりました。

大学院修了後、フルブライト奨学生として米国のミネソタ大学に2年間留学する機会を得て、MPHを取得すると共に、循環器疾患の予防研究の第一人者であるヘンリー・ブラックバーン教授(日野原先生と同様、百歳を超えても執筆活動をされています)のもとで、地域における循環器疾患予防のための組織的な健康教育キャンペーンと健診活動の実装・評価研究を学ぶ機会を得ました。

帰国後、大阪成人病センターの医師を経て、1990年に筑波大学の教員に着任し、茨城の自治体において、日本の文化に即した健康教育キャンペーンによる一次予防と健診による二次予防を展開しました。2005年に大阪大学に異動後、2022年以降の現職に至るまで、予防対策のエビデンスを積み上げ、順民における食塩摂取量の減少、血圧値の低下、脳卒中や虚血性心疾患の発症率の減少、そして、周辺地域に比べて循環器疾患の死亡率がより大きく減少したこと、医療費の上昇抑制が良い大きいことを明らかにすることができました。世界人口の6割を占め高齢化が急速に進んでいる中所得国において、生活習慣病が大きな健康課題となっていることから、日本からのエビデンスが国際貢献に資する時期に来ていること、また貴学会がこれまで推進されてこられた総合健診の効果を支持するものと考えます。

振り返ってみますと、大学院の在学中に日野原先生が講演を聴く機会がありました。その時、先生が人間ドックを提唱された経緯と健診による予防医学の重要性を強調されたことを鮮明に覚えております。残念ながら日野原とは対面でお話しする機会はありませんでしたが、医師として、文化人として、さらにはみずから望ましい生活習慣を継続し長寿を全うされた、まさに超人的な存在として畏敬の念を抱いておりました。そのような先生の名を冠した賞をいただくことは、誠に光栄に存じます。改めて貴学会の皆様に感謝申し上げると共に、貴学会の益々のご発展を祈念申し上げます。

 

                                        2026124

DSC03906.JPG